今さら聞けないラジコンの話し『カーボンシャーシとアルミシャーシ どっちが良いの?』
読者の皆様、こんにちは!(‘◇’)ゞ
今回のお題は【今さら聞けないラジコンの話し『カーボンシャーシとアルミシャーシ どっちが良いの?』】であります。
ここ最近、ハイエンドRCカーに『アルミ製シャーシ』が多く採用されていますよね。
競技用に使われるだけあって、当然何かしらの利点や理由がある筈であります。
その辺の素朴な疑問を調べてみようかと思います。
今回の記事も、経験に基づく『個人的見解』が含まれるので、その辺はご了承頂きたいと思います。m(__)m
◎目次
◎ シャーシの役目とは?
最初に『シャーシの役目』について書いてみたいと思います。
シャーシと言えば、ラジコンに関わらず、実際の乗り物全般においてもかならず必要な物ですよね。
下の写真は実車の物ですが、シャーシとはボディを除いた部分の全てを指すそうです。👇
人間や動物に例えると『骨格』の部分であり、とても重要な部分であります。
ラジコンでは、主にサスと駆動系がマウントされる部分をシャーシと言っていますね。
ラジコンのシャーシと言っても、形や素材も様々であります。
思いつく形状の物を上げてみましたが、これだけの種類があります。👇
今回はこの中で、一番オーソドックスな『デッキタイプ』に的を絞って書いて行きたいと思います。👇
◎ 材質の違いについて
ここからは、アルミとカーボンの材質的な違いを見ていきたいと思います。👇
◎ アルミ(アルミニウム)とは?
アルミニウムは『軽金属』と言われる材質であります。
地球上にアルミニウム(以下アルミ)という物質では存在していなくて、ボーキサイトと言う鉱物から精製して作られる金属です。
非常に軽量で加工がし易く、腐食しずらい金属のため、建材から日用品まで幅広く使われています。
ただし、そのままでは他の金属と比べて強度的に劣るため、ラジコンを含めた機械部品関係に使用されている物は、マグネシウム・シリコン・銅などを添加した『アルミ合金』として使用されます。
俗にいう『ジュラルミン』と呼ばれる物もアルミ合金であります。
熱処理(T6などと表記される)や表面処理(アルマイトなど)を施して、更に機械的強度を上げた物もあります。
耐熱性が高く、放熱性にも優れているので、エンジン部品やラジコンのモーターマウント、ヒートシンクなどにも使われています。👇
こうして見ると、とても汎用性の高い素材であるのが分かりますね。
◎ カーボン(カーボンファイバー)とは?
カーボンファイバー(以下カーボン)は、アクリルなどの有機繊維を炭化させる(高熱で蒸し焼きする)ことで作られた炭素繊維であります。
カーボンの比重(1.8g/cm3)は鉄(7.8g/cm3)の約1/4、アルミ(2.7g/cm3)と比べても約2/3と非常に軽量な素材です。
ちなみに、鉄とカーボンを同じ重量とした場合の強度は、カーボンが鉄の10倍にもなるらしいです。
逆に考えると、鉄と同じ強度を出したいのなら、1/10の重量で作れるということですね。
一般の製品として目にするのは、この繊維状のカーボンを何層も重ねて、樹脂で固めた物になります。
柔軟性に富んでいるので、釣り竿やテニスラケットなどのスポーツ用品にも使われています。
近年は『軽量化』と『安全性』を高める材料として、自動車のモノコックフレームやボディパネル、大型旅客機の機体本体などにも幅広く使われていますね。👇
それぞれの特徴を簡単にまとめるとこんな感じになります。👇
◎アルミニウムの特徴 | ◎カーボンファイバーの特徴 |
・材料コストは比較的安い(リサイクル可能) | ・材料&製造コストは高い |
・金属の中では軽量な部類 | ・金属と比べると非常に軽量 |
・成型後の加工は比較的容易 | ・成型後の加工はしずらい |
・熱処理等で強度を高めることが出来る | ・高強度だが局部的な衝撃には弱い |
・柔軟性(しなり)が少ないので振動吸収性は劣る | ・柔軟性(しなり)があるので、衝撃吸収性は非常に高い |
・耐熱性が高く、熱伝導性も高いため放熱性に優れる | ・カーボン自体の耐熱性は高いが、樹脂部分(エポキシ等)の耐熱性は低い |
◎ アルミ製シャーシのメリット&デメリット
さて・・・ここ最近注目を集めているアルミシャーシには、どんな利点があるのでしょうか?
先にも書いたように『アルミは軽量である』とありましたが、軽量な部分でだけで言えば、カーボンの方に分がありそうです。
実は、アルミは意外と強度が高く、(カーボンと比較して)しならないのが特徴であります。
この『しならない』と言うのが、屋内の『ハイグリップカーペット路面』に最適なのであります。
路面からの強力なグリップ力をしっかり受け止めて、シャーシに無駄な動きをさせずに、ハイスピードで走らせる様なシチュエーションに向いているのがアルミシャーシと言えます。
例えるならば『剛のアルミシャーシ』・・・と言ったところでしょうか?
デメリットとしては、足回りのセッティングがしっかり出ていないとシャーシがしならない分、曲がらない(誤魔化しが効かない)車体になってしまう可能性があります。
サスペンションにしっかり仕事をさせた状態でこそ、『剛』の利点が活かせるシャーシだと言えますね。
◎ カーボン製シャーシのメリット&デメリット
さて・・・では、カーボンシャーシはどうでしょうか?
材料の利点としては『非常に軽量で柔軟性がある』とありましたね。
カーボン製の釣り竿を思い浮かべると、柔軟性に富んでいるのは想像できますね。
逆にアルミ製の釣り竿はありませんよね・・・。
これを考えると『力を受け流して上手にいなす効果』があると言えますね。
走るコースに当てはめると、比較的ローグリップな屋外の『アスファルト路面』に最適ではないでしょうか。
ちなみに下の写真は5年前に、初めてタミヤサーキット行った時に撮った写真であります。👇( 屋外サーキットの参考として載せました。あしからず m(__)m )
適度にしなる柔軟なシャーシなら、タイヤのグリップがなかなか引き出せない様なシチュエーションでも、シャーシが上手くカバーしてくれそうです。
足回りのセッティングが難しい、荒れた路面などにも効果を発揮してくれそうです。
例えるならば『柔のカーボンシャーシ』・・・と言ったところでしょうか?
デメリットとしては、非常に硬い材質なので加工がしずらいのと、強い衝撃が加わると割れたり欠けたりしてしまうといったところです。
特にネジ穴周辺にはクラックが入りやすいので、クラッシュ後は念のため確認しておくのをお勧めします。
◎ まとめ
さて、如何でしたでしょうか?
少し補足すると、最近はアルミシャーシでも大胆な肉抜きを施して、しなりを出すような工夫がされています。👇
スリットに専用ウエイトをセットできる様な工夫もされていて、セッティングの幅はかなり広そうです。
だだし、耐クラッシュ性は低下する筈なので、この様なシャーシは消耗品と考えた方が良いかも知れませんね。
カーボンシャーシに関しても、アッパーデッキの工夫や、ステフナーの追加などで、縦横のしなりをコントロールできる様になって来ています。👇
カーボンのしなやかさを残しつつ、加減速時の踏ん張り感を出すような工夫が伺えますね。
いろいろと迷ってしまいそうですが、シャーシの基本的な特性は材質で決まるので、この様な追加装備は『味付け』と考えてもらえれば良いと思います。
後は好みで選んでも良いと思いますね。(ちなみに自分はカーボンが好きです。(笑))
贅沢にカーボンとアルミの2仕様を作って走り比べ・・・なんてのも良いかも・・・。 (*´ω`) スゴクゼイタクデスネ~…
では、また次回をお楽しみに~!(=゚ω゚)ノ
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