いまさら聞けないラジコンの話し『インボードサスって何ぞや?』
読者の皆様、こんにちは!(‘◇’)ゞ
さて、今回のお題は
『インボードサスって何ぞや?』
についてであります。
ちなみに今回も、かなり『個人的経験に基づく見解』も含まれておりますので、専門家の方や超ベテランの方はそっとページを閉じて下さいね・・・(苦笑)
・・・さて・・・準備は宜しいでしょうか?
では、先に進みましょう!
◎久しぶりのインボードサス採用シャーシ・『タミヤ TC-01』発表!!
先日、タミヤ模型から『TC-01シャーシ』と言う、新型モデルが発表されましたね。👇
その中でのトピックスとして、みんラジ的に特に注目したのは『インボードサス』の採用であります。👇
フロント周りの拡大写真 👇
メカ好きには堪らないギミックですよね~!(笑)
とは言っても、全くの新採用と言うわけではなく、 ”復活” と言った方が正しいかも知れません。
過去のタミヤRCシリーズの中にも、多くの採用シャーシが存在します。
下はその一部です。👇
その他のメーカーでも、ドリフトカーを中心に採用されていますね。👇
やはり、どのマシンも存在感抜群でありますね~!
さて・・・そんなインボードサスではありますが
『普通のサスと何が違うの?』
とか
『インボードサスって何が良いの?』
と言う部分が気になるところですよね。
その辺の素朴な疑問に答えていきたいと思います。
目次
◎そもそも『インボードサス』って何?
そもそも『インボードサス』って何でしょうね?
ちょっと調べてみました。👇
【自動車情報辞典・大車林から抜粋】
『空気抵抗を低減するために気流を乱すスプリングショックアブソーバーユニットを、ボディの内側に収めたサスペンションのこと。』
上の文章からすると ”空気抵抗低減” が主な目的だった様です。
特にF-1マシンの様に、タイヤが剥き出しのクルマには必須の装備であったのも当然だったと思います。
参考までに60年代のマシンと最近のマシンを比較してみましょう。👇
どうでしょうか?
上の写真は1968年のホンダ『RA301』で、下は2020年のHONDA『AT01』であります。
さすがに30年以上も差があると全然違うマシンに変貌してしまっていますが、60年代のF-1マシンはまだ『アウトボードサス』で、シャーシもあまりスリムではないですね。
それに比べて近年のF-1マシンは、インボードサス化され、シャーシも極限までスリム化されているのが分かります。
これだけで、空気抵抗に相当な差があると思います。
ラジコンに当てはめた模式図も作ってみました。
こんな感じになると思います。👇
見ての通り、サスアーム周りの空間にだいぶ差がありますね。
今回のTC-01シャーシの『フォーミュラ E GEN2』のボディ形状を活かす構造であるのが伺えます。👇
では、インボードサスのメリットは、空気抵抗を低減するだけなのでしょうか?
もう少し調べてみました。
◎インボードサスのメリットとは?
さて・・・空気抵抗低減の他に、インボードサスのメリットは無いのか・・・。
自分なりに幾つか挙げてみました。👇
①は先に述べた通りに、サスアーム間に空間が出来るため、空気の流れがスムーズになると言うことでしたね。
②は、ショックユニットが車体内部に移動したことで、シャーシの構造の自由度が上がると言うことであります。
サス&ダンパーマウントも含めて、かなり車体をスリムにすることが可能になります。
③は、①+②の相乗効果でスリム化したシャーシによって、重量物を中心に寄せることが出来ます。
重心を車体中心近くにすることで、マシンの運動性能が向上するのであります。
④に関しては、自分の経験からなのですが
『車体に掛かる応力や、荷重の方向を変えるとマシンの走行安定性が変わる』
と言うことであります。
シャーシのどの ”部分” に、どの “方向” の荷重を掛けるかで、マシンの性格が変わってくると言った方が分かり易いでしょうか・・・。
それらを意図的にコントロールすることで、車体の性格を変えたり、逆に弱点を補ったりすることが可能になります。
ラジコンでも恐らく、ショックユニットからの荷重の掛かり方によって、曲がり方が変わってくるのでは・・・と考えられます。
超個人的な感想ではありますが、これらを踏まえて『TC-01』を見て感じたのは、(重心が車体中心にあるため)シャーシの真ん中あたりを中心に、前後同時に向き変えをするクルマかも・・・そんな感じに見えました。
それと、スロットルオンオフに対しての荷重変化が、もしかすると希薄に感じられるかもしれないな・・・そんな風にも感じました。
ただしそれは、癖のない誰もが操縦し易い、非常に優れたシャーシであるとも言えます。
(くどい様ですが、個人的主観で書いていますので、あまり気にしないで下さいね・・・。)
◎インボードサスを活かすには?
それでは、インボードサスの性能を活かすためには、どんなことに注意すればよいのでしょうか。
まず言えるのが、可動部であるリンク機構(プッシュロッド&ロッカーアーム)が増えたことで、フリクションロスが増えるということであります。
ボールリンクやロッカーアームが、なるべくスムーズに動くように配慮した組み付けを心がけましょう。
あとは、サスを動かしたときに、ショックユニット以外の場所が動いてしまうのも御法度です。
特にロッカーアームの付け根や、ショックユニットの付け根が動いてしまう様では、インボードサスの性能を十分に発揮できません。
以前、タミヤのTB-03Rに装備されていた、アルミ製の『ロッカーブリッジ』はかなり効果的な補強手段だと思いました。👇
サス部分に限ったことではありませんが、なるべくスムーズに可動して、固定されていなければならない場所はしっかり固定することで、インボードサスの性能をいかんなく発揮できると思います。
◎まとめ
さて、今回は『インボードサス』についていろいろと書いてみましたが、如何でしたでしょうか?
ラジコンに関して言うと、純粋に ”速さ” のみを追求した場合は、コンベンショナル(従来型)のアウトボードが良いかも知れませんね。
やはりアウトボードの方が、セッティングのノウハウも豊富で、中間的な機構(プッシュロッドやロッカーアーム)が無い分、セッティングを変更した時の変化が分かり易いと言う部分で分があると思います。
しかしながら、ラジコンは『速さだけを求める道具』ではありませんよね?
メカの機構に触れて、それを理解しながら楽しんだり、人と違うマシンを所有する楽しさがあったりと、『千差万別・十人十色』の楽しみ方があります。
自分は今回、『TC-01』を見て久しぶりにワクワクしてしまいました。
子供のころに『スーパーカー』を見ながらワクワクしたのに近い感覚ですかね?(笑)
あえて、ちょっと個性的なマシンで走りを楽しむ、あるいは個性的な機構を楽しみながら弄ってみる・・・そんな楽しみ方も有りでは?・・・そんな風に感じた次第であります。
では、また次回をお楽しみに~!(=゚ω゚)ノ
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